遅くなってしまったけど、原美術館でのヤン富田さんのライヴ。
中庭で、夕方からだんだん日が暮れて行くなかで行われ、そのさまはタレルの作品のようだったのだけど、とても心地よい時間だったのです。
前半実験音楽(ってか実験)みたいな感じの、脳波を音にしてどーのこーのという内容で、このままだったらどうしようという懸念があったのだけど、中盤あたりから凄く気持ちのよい空間になって、本当に幸せだった。
芝生にねっころがって、風がふいて、ゆらゆら揺れて、平和で、なんでもないようで、信じられないくらい特別な時間だったと思う。
私は音楽のことはよくわからない、もちろん大好きだけど、入り込めない(越えられない)一線があって、それについてもはや越えたいとも思ってないのかな、最近は。だけど、ヤンさんは「音楽なんてささやかなものだけど」って言っていて、それが何というかとてもニュートラルにすっと入ってきました。なんでも「ささやかなもの」なんだよなーって。音楽に限らず。でもその「ささやかなもの」がこの日みたいな特別な時間をつくるんだなって。
それでいいじゃないか、と思った。
ヤンさんはあと「(人によって程度はあるけれども)あるとき突然わかるときがくる」「視界や意識が開かれる」とも言っていた。なんとも含蓄のあるお言葉です。
言葉は圧倒的な説得力を持っているかどうかで響きが全然違うよね。
--
0 件のコメント:
コメントを投稿